日本の定期報告に関する検討
Consideration on the Report submitted by Japan

会議設定

会議監督 中西公輝 (東京大学, 4年)
議題 日本の定期報告に関する検討 / Consideration on the Report submitted by Japan
議場 女性差別撤廃委員会 / Committee on the Elimination of Discrimination against Women
使用言語 公式/非公式/決議=日/日/日
設定日時 2017年12月27日~30日

会議監督からの挨拶

 会議監督の東京大学法学部4年、中西です。この会議では議題に「日本」を取り上げます。皆さんは、「国際問題」という言葉で何を思い浮かべるでしょうか?中東の紛争、アフリカの貧困、温暖化で沈み行く島国。。。様々だと思います。ただ、日本の問題を掲げる人はあまり多くないのではないでしょうか。「国際問題」は遠くの国の関係ない問題として思われることも多いかもしれません。しかし、わが国にも「国際問題」とされるものが問題として存在することも確かです。ここで挙げられる女性差別がまさにそうです。
 皆さんが模擬国連をする中で、一つの国だけを見つめることもなければ、まして「日本」を真正面から考える会議はあまりないと思います。しかしながら、日本に生活し、特に日本の将来を担う我々大学生にとって日本の問題は切っても切れない問題です。この会議では、あえて皆さんの多くにとって「わが国」と言うことができる「日本」について考え、外に向いている皆さんの目を、一度内側へと向け、今後の社会を担う我々の使命ともいうべきものを果たすことを目指しています。
 この会議は一つの条約に対する一つの国の履行状況を期間中考え続けることから、国内制度に関する深い理解と女性差別撤廃条約に関する深い知識が求められ、極めて綿密な準備が問われます。しかしながら、だからこそ終えたときに学ぶことは極めて多いと思います。多くの皆さんの参加をお待ちしています。

会議コンセプト

 「国際社会の一員として、日本と向き合う」

 この会議は、国際問題について学ぶ際に自国内の問題を理解できているか、他人事として話していないかという二つの問題意識を基に設計しています。この会議を通して、自分の国のことをしっかりと理解した上で、異同の比較を通して国際問題の本質を理解できるようになること、国際問題が地球規模で全員に関係ある問題であることを自覚し、私たち一人一人が積極的にその解決に取り組まなければならないという自覚を生むことを目指しています。

議題・議場解説

 この会議では参加される多くの方にとって「母国」である日本の女性差別について検討します。日本の男女平等の水準は諸外国と比べて決して高いものであると言えず、賃金格差や教育格差、家族法での差別的規定、家庭内での役割分担など多くの点が専門家委員によって指摘されています。これらの問題について、女性差別撤廃条約という一つの条約を軸に会議参加者に幅広く客観的に考えてもらう場を提供します。  この会議で議場となる「女性差別撤廃委員会」は国々が集まる会議ではなく、女性の権利に関する専門家23名が女性差別撤廃条約を各国が履行しているかチェックしている組織です。皆さんには、この専門家委員と日本国政府に分かれていただき、一方でチーム戦のように、他方で個人戦のように日本における女性差別という問題について議論をしていただければと思っています。  ご参加される方は、この会議では日本が留保を付していない女性差別撤廃条約を前提に議論を行うため、条約そのものについての是非の議論は扱わないことには注意をして参加してください。

論点解説

 本会議では、設計者側から「論点」を提示することはなく、参加者の皆さんが日本の女性問題について問題だと思うところを話していただきます。本年は、刑法における性犯罪規定の改正や民法の待婚期間の改正、女性宮家創設の附帯決議など多くのことが進展した年であるとも言えますが、一方で待機児童の問題や教育格差、賃金格差など、男女の実質的な平等に向けての問題が未だ多く山積していますし、最近になってJKビジネスやアダルトビデオの出演強制問題など新たな問題が出てきたりもしました。こうした問題についての日本政府の対応が、女性差別撤廃という軸から見た際に、必要な措置を講じていると言うことができるのか、言うことができないのであれば、なおどの部分に不足があると言うべきなのかという観点から、議論をしていただきたいと思っています。

求める参加者像

 この会議では、女性の権利という問題に関心がある意欲がある方を幅広く募集しますが、特に以下の方々を募集します。
・アカデミックな議論をしてみたい人
・一つの問題に対してじっくりと取り組みたい人
・自分の思考の軸を持てるようになりたい人
・じっくりと交渉をしてみたい人
 また、当然のことではありますが、この会議は男性の皆さんの参加も歓迎します。(会議監督も男性です。)実際の委員会では委員23名のうち男性が1名、女性が22名という状況が長く続いていますが、男性の参加者の皆さんが女性専門家の視点を得るのもまた重要な機会と言えるでしょう。

国割

【専門家委員】
Ms. Ayse Feride ACAR
Ms. Gladys ACOSTA VARGAS
Ms. Nicole AMELINE
Ms. Magalys AROCHA DOMINGUEZ (Vice-Chairperson)
Mr. Gunner BERGBY
Ms. Marion BETHEL
Ms. Louiza CHALAL
Ms. Naéla GABR
Ms. Hilary GBEDEMAH
Ms. Nahla HAIDAR
Ms. Ruth HALPERIN-KADDARI (Vice-Chairperson)
Ms. Lilian HOFMEISTER
Ms. Ismat JAHAN
Ms. Dalia LEINARTE (Chairperson)
Ms. Rosario MANALO
Ms. Aruna Devi NARAIN
Ms. Lia NADARIA
Ms. Theodora OBY NWANKWO (Vice-Chairperson)
Ms. Bandana RANA
Ms. Patricia SCHULZ
Ms. Wenyan SONG
Ms. Aicha VELL VERGES

【日本国政府代表団】
Ministry of Foreign Affairs(ペア)
※ペアのうち任意の一名をフロントがHead Delegateとして指定する。
Cabinet Office(ペア)
Ministry of Health, Labor and Welfare(ペア)
Ministry of Justice(ペア)
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology(ペア)
National Police Agency(ペア)

国選びのポイント

 大きく分けて専門家委員と日本国政府代表団に分かれます。
 専門家委員は個人資格の専門家として日本国政府の女性差別撤廃条約の履行に関してチェックをする役割を持ち、政府代表団は政府の履行状況について専門家に報告書を提出する(報告書も参加者の皆さんに執筆していただきます)とともに、専門家からの質問に回答します。
 専門家委員も政府代表団も、その中で「誰/その省庁」を選ぶかによって大きく変わることはないので、自由に自分が興味を覚えるものを選ぶのが、モチベーションの意味でも良いのではないかと思います。
 したがって、以下のように言えるでしょう。
【専門家委員】
※専門家委員について国割にて詳細を確認して選んでください。
・女性差別撤廃条約について深く学びたい。
・日本の状況をしっかりと批判的に考察したい。

【政府代表団】
・日本の国内法制度について深く学びたい。
・妥協の線を探る交渉をしたい。

フロント紹介

会議監督/中西 公輝/東京大学/4年/駒場研究会
副会議監督/乗上 美沙/早稲田大学/4年/早稲田研究会
副会議監督/湊 奈都美/北九州市立大学/4年/九州支部
秘書官/灘 祐吏/金沢大学/4年/北陸支部
報道官/杉山 加奈/同志社大学/4年/京都研究会