会議監督 | 桑名 祥平(早稲田大学、4年) |
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議題 |
平和維持活動のあらゆる側面におけるあらゆる問題の包括的検討 Review of the whole question of peacekeeping operations in all their aspects |
議場 |
平和維持活動に関する特別委員会 (2017年実質会期) Special Committee on Peacekeeping Operations (2017 substantive session) |
使用言語 | 公式/非公式/決議=日/日/日 |
設定日時 | 2018年実質会期 |
こんにちは。今会議で会議監督を務める、桑名祥平と申します。
今回の会議をざっくり言えば「現状のPKOの問題点を解決する」というものです。
皆さんは、「平和維持活動」「PKO」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。また、思い浮かべたそれは、「正」のベクトルを向いているでしょうか。それとも「負」でしょうか。
PKOは冷戦時代から活動を始め、東西勢力の停戦監視や、その後の平和構築のための活動を行ってきました。当時はこれで「十分」でした。しかしながら、冷戦終結後のある事件をきっかけに、在り方を再考する必要が生じてきます。
1つ目はボスニア紛争におけるスレブレニツァの虐殺。迫害から逃れてきた市民を保護していたはずのオランダ軍兵士が、セルビア系武装勢力の襲撃に対し為す術もなく、保護市民をほしいままにさせてしまいました。
2つ目はルワンダ内戦とジェノサイド。フツ族によるツチ族への迫害・虐殺がエスカレートする中、PKO部隊を構成していたベルギー軍は、国際連合ルワンダ支援団(UNAMIR)の命令ではなく、ベルギー本国の軍本部からの命令により、現地住人を置いて一方的に撤退してしまいました。
これらの事件に加えて、現在となっては、隊員による違反行為などの問題も浮上し、PKOの正当性に疑問が生じかねない状況下にあります。「現在」を見据えて、これらへの解決策を、参加する一国として思考する会議です。
この会議のコンセプトは「大使を、演じきる」です。
模擬国連はある種の「演劇」だと私は思っています。「○○の大使をやりたい」という思いは、演劇における「○○役をやりたい」という思いと同じだと思っています。そして、ある女優の言葉に「映画は監督のもの、ドラマは脚本家のもの、舞台は役者のもの」というものがあります。
私の会議はこの箴言で言うところの「舞台」です。舞台は「役者としての自分」を表現する絶好の機会であり、一方で多量の反省・改善が行われる場でもあります。つまり会議を通じて、「役」に没頭・追究していきながら、比較的自由な環境下で、「自分らしさ」を表現させながら、不足あるいは弱い部分を探求・解消、あるいはそのヒントを得る…。それが「大使を、演じきる」という会議コンセプトに込められた願いです。
血みどろの紛争の中で、迫害や殺戮に遭う無辜の市民たち。彼らを守るべく、PKO部隊は颯爽と登場する。しかしボスニア、ルワンダ、ソマリアにおいて、彼らは無力でした。また時代が進むにつれて、PKO隊員による違反行為の問題も浮き彫りになるようになりました。これらに対し、国連や国際社会はどうすればいいのか。
この会議は、多様な利害関係の中で、現在のPKOの問題の解決策を考える会議です。
議場は国際連合総会第4委員会下にある「平和維持活動に関する特別委員会(Special Committee on Peacekeeping Operation)」です。年に一度のペースで行われ、今回は2017年末時点での会議をシュミレーションします。
現在PKOを巡っては、様々な問題が発生しています。その中でも国連の信頼に関わる問題として、PKO派遣先におけるPKO関係者による性的虐待などの犯罪があげられます。この問題に関しては多くの非難が国連に寄せられ、PKOの正当性も揺らぎかねない状況にあります。しかし、国連ではこれらに関する有効な解決策が未だ出されていないと言えます。今回の会議では、参加者の皆さんに、これらへの問題の解決策を講じるために、一国の大使として、その一助を担っていただきます。
具体的な論点としては以下の通りです。
①管理責任の所在
派遣される軍隊の管理責任の所在について、現状を踏まえた再検討を要するか否か、そして再検討をするなら、どのように変えるか、について議論します。
②具体的な管理ルール
違反行為の防止を厳守するには、軍隊の違反行為を防ぐための措置や教育が必要となってきます。違反行為を防ぐためには、どのような政策を講じるべきかについて、議論します。
以下のような方々を対象としています。
●模擬国連を通じて「成長したい」と考えている人
●そのためのヒント・端緒を得たい人
●自分の弱点を確認したうえで、改善に努めたい人
●弱点を既に知っていて、それを改善するための場数がほしい人
これらに当てはまらなくても、単純に議題に興味がある、などといった方も対象となります。
全てシングルデリ
●常任理事国・分担金拠出国
・PKOそのものについてどう考えているか。
・自国内でPKO派遣に関して嫌厭しているような意見はないか。
→大国・先進国として、PKOの活動を一から見直してみたい人
●PKO派遣先(現在・過去)
・「平和構築」「平和維持」を効果的に行うために、PKOはどうあるべきか
・自国や周辺諸国の現在(過去)の状況から、理想のPKOの姿を考える。
→不安定な/だった自国の状況から、未来のPKOの形を導き出したい人
●PKO主要要員派遣国
・PKO要員を大量に派遣することと、自国益の因果関係は何か。
・自国益達成・維持のために、PKOはどうあるべきかを考える。
→「PKO」と「自国益」の2つの達成のために戦略的に動きたい人
●利害関係国
・自国と現在・過去のPKOの関係、あるいは現状での問題点についてどう考えているか。
・ある地域のPKOの存在が国益にかなっているのか否か。
→PKOによって生じる利害関係を踏まえたうえで行動したい人
●人権国
・現在のPKOを巡る人権状況ついてどう考えているか。
・「人権を守る」という矜持の元で、現状の問題点をどう解決できるか。
→自国の人権観を踏まえながら、今後のPKOに関して考えたい人
●地域機構
・諸国をまとめる地域機構として、国連の平和構築・維持における問題にどう寄与できるか。
・オブザーバーでありながら、「地域益」を得るためにはどう動けばよいか
→国家間の利害を踏まえつつ、大局的観点からPKOを考えたい人
会議監督/桑名 祥平/早稲田大学/4年/早稲田研究会
副会議監督/上野山 時央/青山学院大学/3年/日吉研究会
議長/木下 航/東京大学/3年/駒場研究会
秘書官/富田 千恵/早稲田大学/3年/早稲田研究会
秘書官/堀内 麻帆/早稲田大学/3年/早稲田研究会
報道官/高本 穂乃花/神戸市外国語大学/2年/神戸研究会