こんにちは、2022年日本模擬国連(以下、JMUN)代表を務めます、東京大学工学部計数工学科3年の田部井淳志と申します。
模擬国連とは、文字通り国連などにおける国際会議を一大使として模擬する活動のことです。各自が担当国にとって望ましい帰結(国の利益、国益と呼ぶことが多いです)に向けて、議論・交渉・スピーチなどもちうる様々な手段を駆使しながら会議を進めていく中で、論理的思考力、批判的思考力、交渉力、伝える力などが鍛えられます。一見するとディベートのようでもありますが、模擬国連の魅力は「知の総力戦」とも形容されるように、一面的なものの集合ではなく、様々な要素を有機的につなげながら戦略を練ることが求められる非常に高度な知的競技であるところです。各自が自国の国益のためにもてる手段を比較衡量しながら自らの戦略を構築し、議場でそれをぶつけ合う、その先で得ようとするものは参加者によって大きく違いますが、模擬国連が知的競技として魅力的だからこそ、数十年にわたり多くの参加者に愛され、発展し続けてきたものと私は思います。
日本模擬国連は、このような魅力あふれる模擬国連の活動を通じ、社会に貢献しうる人材を輩出することを目的として作られた組織です。模擬国連において得られるものは前述したような能力に加え、国際社会・情勢に対する理解、近しい興味・関心をもつ友人との出会い、彼らによって構成されるコミュニティなど様々です。そのような場を提供し、そしてさらなる模擬国連の発展を促進することで、より多くの方に模擬国連という活動を知っていただき、楽しんでいただきたいと思っております。
新型コロナウイルス感染症により、模擬国連活動も少なからず打撃を受けました。対面で行うのが当たり前だった模擬国連会議はオンライン化を余儀なくされることもありました。全国大会などにおける別の地方の友人との出会いなどが制限されることもありました。しかしそれでもなお、オンラインにおける模擬国連のノウハウが確立され、今もなお数百人を数えるJMUN会員によって模擬国連活動が続いていることは、紛れもなく模擬国連の魅力ゆえだと感じております。この情勢の中で、模擬国連活動は手探りながらに少しずつ対面の活動を再開しております。まだまだ先が見通せない日々ではありますが、少しでも模擬国連の魅力が増強され、さらにそれが多くの人に伝わるよう、一層邁進していく所存です。今年もJMUNをどうぞよろしくお願いいたします。
2022年日本模擬国連代表部代表
東京大学工学部計数工学科3年
田部井淳志
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