2024年度 講師派遣事業社会人ライラセミナー
場所:栃木JIMINIE倶楽部 自然の家みかも
日程:2024年11月10日(土)12:45-17:30
議題:安保理改革
講師:日下剛志、水越萌巴、矢島大誠
参加者:社会人21名
【概要】
★講義(12:50~13:20)
・国際連合とは?
・模擬国連とは?
・模擬国連の流れ
・安保理改革の概要、解説
★各国リサーチ(13:20-14:10)
全体的に理解力が早く、各自適切なプレセンスの発揮方法をしっかり考えられていたように感じました。また、端的に意見をまとめられている方が多く、さすがだなと感じました。しっかりとペア内で認識のすり合わせが行えていた点も良かったと思います。
★体験プログラム(14:20~17:30)
・参加国
中国、フランス、ドイツ、ガーナ、インド、イタリア、ナイジェリア、パキスタン、ロシア、アメリカの10か国
・議題 安保理改革
国際の平和及び安全の維持に主要な責任を負う主要機関である安全保障理事会、通称安保理。
国連加盟国が増加しているにも関わらず、常任理事国は5か国、非常任理事国は10か国と限られた国数で構成されていることや、地理的公平性の欠如、常任理事国の持つ拒否権など、様々な問題が存在しています。
現在も続く難しい安保理の問題について、今回は2005年の国連総会を取り上げ、「安保理の議席拡大」と「常任理事国の持つ拒否権の制限」の2点において、安保理の改革を目指して話し合っていただきました。
・モデ(14:20~15:20)
論点1:議席拡大について
ここでは、①現状維持(議席拡大なし)、②常任/非常任どちらも拡大、③常任のみ拡大、④非常任のみ拡大 の4種類の主張に分かれて議論が進められました。主張の根拠に対して指摘したり、重要視している点の違いを説明するような反論が多くみられ、有意義な議論になっていたと思います。
論点2:常任理事国の拒否権制限について
ここでは、①現状維持(制限なし)、②拒否権制限を行うべき の2種類の主張に分かれて議論が進められました。反論こそあまり出なかったものの、各国がしっかりしたエビデンスを端的に説明できていたことが、後のアンモデでの有意義な交渉につながっていたように感じました。
・アンモデ(15:20~16:50)
全体的に、皆さん楽しそうに交渉されていたのが印象的でした。各国の思惑が重なり混沌とした場面でも、意見調整や陣営形成がしっかりとなされていたのも良かった点です。
さらに、モデの議論が整頓されていたことに関連して、モデを踏まえたアンモデの交渉が多く見受けられました。なかなか最初はできない難しい観点なので、初めての模擬国連でこのような行動ができてしまうのは社会人ならではだなと感じました。
・投票、講評、表彰(16:55~17:30)
今回は最終的に二つの案が提出されました。それぞれの案の概要は以下の通りです。
① China,Ghana,Italy,Nigeria,Pakistan,Russian Federation,United States案
非常任理事国のAU枠の増設、拒否権が公正に使用されているかの多数決の実施
② France,Germany,India案
常任理事国/非常任理事国の増加、拒否権制限なし
投票の結果、①の案が賛成7、反対3となり、安保理改革案が可決されました。
国連総会において、安保理改革について今まで長い議論が行われてきたものの、過去に改革が実現したのがわずか1回であることから考えても、非常に珍しい結果となったことは評価に値すると思います。
【講師からのコメント】
今回は今年初めてとなる社会人の方に向けた模擬国連体験会議を実施しました。高校生や大学生の会議では柔軟な発想を展開させながら混沌とした議場構造になるのが多かった一方、今回の社会人の会議では事業構造がすっきりしていた印象でした。端的に主張をまとめ、相手に分かりやすく伝えることを多くの方が意識されていた方がとても多く、私としても参考になることばかりでとても面白かったです。
最近就職活動を行っていて、交渉の仕方、意見の伝え方、合意形成の仕方など、模擬国連と仕事は共通する点が多いように感じています。是非今回の模擬国連の経験を今後に生かしていただければ幸いですし、今回の模擬国連会議を機に国際情勢にも目を向けていただければと思います。
(水越)
今回の事業で私が最も嬉しかったことは社会人の皆様が真剣かつ活き活きと楽しそうに模擬国連をされており、我々のような学生だけでなく幅広い層に受け入れられる模擬国連の普遍性を確認できたことです。事業部の一番のやりがいは夢中なデリを身近で見ることができる点だと考えており、今回も参加者の笑顔から大きなやりがいを感じることができました。また社会人ならでは観点や交渉の仕方を見ることができ、新たな視座を得ることができました。
(矢島)
【参加者からのコメント】
・普段何となくニュースを聞いていたが、今回の会議でかなり理解が深まり、今後是非もっと勉強していきたいと思った。(Aさん)
・国の問題などを捉えながら準備・交渉するのが楽しかった。(Bさん)
・初めての体験だったが楽しかった。貴重な体験だった(Cさん)
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→日本模擬国連 事業担当:project.jmun @gmail.com