2024年度 講師派遣事業④

場所:宇都宮文星女子高等学校

日程:2024年6月9日(日)8:45-16:00

議題:安保理改革

講師:水越萌巴、日下剛志、榊原明日香

参加者:高校生43人

【概要】

★講義 (8:45~9:20)
・模擬国連とは何か?
・模擬国連の流れ
・安保理改革の概要、論点解説
★ 各国リサーチ(9:30~10:30)
★体験プログラム (10:30~16:00)
・参加国(15か国)中国、エジプト、フランス、ドイツ、ガーナ、インド、イタリア、日本、韓国、ナイジェリア、パキスタン、ロシア、南アフリカ、イギリス、アメリカ
・スピーチ(10:30~11:00) 最初に、全か国今会議の論点においてのスタンス表明を行いました。 自国の意見や置かれている状況をただ伝えるだけではなく、現状の問題から解決策を訴えるような説得力のあるスピーチをしている国が多く、とても素晴らしかったです。
・議論(11:00~13:30) 論点1:安保理の議席を拡大すべきか 非常任理事国のみ拡大すべき / 常任理事国も非常任理事国も拡大すべき / 理事国を拡大するべきではない の3つの主張に分かれ、議論を行いました。 論点2:既存の拒否権を制限すべきか 拒否権を制限するべきではない / 拒否権を制限すべき の2つの主張に分かれ、議論を行いました。 どちらの議論においても、相手の主張をしっかりと聞いたうえで、短い時間でクリティカルな反論を主張できていたのがとても印象的でした。
・交渉(13:30~16:00) 結果として、DRは以下の3本が提出されました。 ① 常任理事国/非常任理事国の枠の増加 + 拒否権行使の理由を説明する拒否権制限 ② 非常任理事国の枠増加 + 拒否権行使の理由を説明する拒否権制限 ③ 非常任理事国の枠増加のみ 残念ながらどのDRも出席国のうち2/3以上の賛成を得ることができず、コンセンサス採択には至りませんでした。しかしながら、議論の中で拒否権制限のうち「拒否権の理由説明」のみどこからも反論がなかったことが反映されていたり、常任理事国に入りたいと考えている日本などのG4グループが非常任理事国の拡大のみを許容するなど、安保理改革を実現するために多くの国が妥協し合い、DRの採択を全員で目指していたのが印象的でした。

【講師からのコメント】  安保理改革は国連が抱える大きな問題ですが、1965年に非常任理事国の議席数が4か国拡大されてから1回も改革が実現しておらず、現在においても話し合いが続けられています。今会議ではそんな安保理改革を議題に設定し、様々な国益を各国が抱える中でどのように合意を生み出していくのかを考え、挑戦していただきました。

5か国43人というかなり大規模な会議であったため、なかなか議場把握をするのが難しいのではないかと懸念していましたが、実際に会議が始まってみると、自国益を達成するために様々な国と協力して交渉したり、国益のグラデーションを見極め妥協できるところは妥協して合意を作り上げるなど、全員が積極的に動く姿勢に感銘を受けました。また、皆さんの理解のスピードが早かったうえ、その場に応じて臨機応変に動いていたのにも驚きました。  栃木RYLA様では毎年2回模擬国連の会議を実施させていただいており、去年も参加してくださった方が多くいらっしゃいました。次回以降もまた模擬国連の楽しさ、模擬国連から学べることを皆さんにお伝えできればと思います。参加してくださった皆さん、ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。 (水越)

【参加者からのコメント】
・普段ほかの高校の人達と関わる機会がないので、全くバックグラウンドの違う人たちとひとつの問題を解決していくのに刺激を受けました。(Aさん,高校3年生)
・一対一の話し合いではなく、色々な意見を持った国が網目の様につながっている議場構造だったので、自国の立場を考えつつ主張するのがとても楽しかったです。また、全員が理解できるように分かりやすく話すのが難しかったです。(Bさん,高校2年生)
・同じスタンスの国同士グループで固まって、国益を達成するためにどうするのか、そのために何を妥協するのかを考えることを心がけました。(Cさん,高校2年生)

—- 講師派遣事業に関するお問い合わせ・ご相談 →日本模擬国連 事業担当:project.jmun@gmail.com

2024年度 講師派遣事業④
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