場所:トライ式高等学院大宮キャンパス
日程:2024年3月26日(火)10:00~13:00
議題:COP21
講師:水越萌巴
参加者: トライ式高等学院大宮キャンパス 学生10名(高校生)
【概要】
★講義(10:00~10:30)
- 模擬国連とは何か?
- COP21の概要、論点解説
- 模擬国連の流れ
★各国リサーチ(10:30~11:10)
★体験プログラム
・参加国(10か国) フランス、イギリス、アメリカ、日本、オーストラリア、ツバル、ペルー、中国、ブラジル、南アフリカ
・スピーチ(11:10~11:30) 最初に、全か国今会議の論点においてのスタンス表明を行いました。
・議論(交渉)(11:30~13:00) 交渉がはじまると、最初は途上国と先進国の2つのグループに分かれたものの、ほどなくして全体交渉に移りました。全体交渉では中国とツバル/アメリカが主に対立し、日本やペルーが仲介を試みる形で進んでいきました。 最終的に日本から出されたDRの内容としては主に、
- 先進国/新興国/途上国の分類という分類に関わらず、
- 世界全体の平均気温の上昇を工業化以前より1.5℃以下を努力目標とし、2.0℃以下を義務とし、
- 途上国に対して先進国は、削減に伴う費用や技術の援助を行う
などとなっており、このDRは全会一致で採択され、見事パリ協定となりました。
【講師からのコメント】
模擬国連はディベートと同じようなものだと認識されることが多々ありますが、「相手と自分でどこが合意できないのかを認識したうえで、合意に近づくために模索する」つまり、相手の意見を前規定し自分の主張を押し通すのではなく、「お互いが納得できる形で合意するにはどうすればよいか」を考えなければいけません。また、「この本音は自国にとって不利になるから発言しないでおこう」という、戦略もディベートとは異なる要因です。
参加してくださった生徒の皆さんは、この2点をしっかりと押さえた上で交渉に臨めているなという印象を受けました。 会議の準備時間は短かったものの、「何を調べればよいのか」を瞬時に考え、効率の良いリサーチを一人一人が行っており、会議自体もとても質の高いものとなっていました。提出されたDRを見てみても、「努力目標」と「義務」という言葉を使い分けそれぞれ温度設定を行うことで多くの国が合意できるような内容になっていたり、技術支援の内容が盛り込まれていたりと、自国の国益を何とかDRに反映させつつ、全会一致で採択できるように模索する皆さんの姿を見ることができ、とても感服しました。
この会議経験を機に、国際情勢に目を向けてみたり、環境問題について考えてみたりするきっかけとなれば幸いです。参加してくださったトライ式高等学院大宮キャンパスの生徒の皆さん、そして教職員の皆様、ありがとうございました。 (水越)
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