場所:横浜翠陵中学・高等学校
日程:2023年4月8日(土)9:00-14:00
議題:安保理改革
講師:石毛菜々美、稲川翔子、出口啓貴、宮本緋夏、六代深尋
参加者: 新高1、35名
【概要】
●講義
・模擬国連とは何か(9:00-9:20)
・議題解説(安保理改革とはなにか、論点解説)(9:30-10:00)
●体験プログラム
国別準備時間(10:05-11:05)
18か国(ARG、BRA、CHN、DEU、FRA、EGY、GHA、IND、ITA、JPN、KOR、NIG、PAK、RUS、UAE、 UK、USA、ZAF)に分かれ、講師が事前に用意した情報をもとに各国の主張を考え、交渉を行いました。
体験(11:45-13:40)
・スピーチ
・論点1:議席拡大および配分について
安保理の議席数拡大について議論が行われました。非常任理事国を拡大することに全か国合意が取れましたが、常任理事国に関してAU,G4-UFC,P5で意見が対立する形となりました。
・論点2:拒否権について
常任理事国の持つ拒否権を、もし新たに常任理事国が誕生した際に付与するべきか否かを各国で議論してもらいました。安保理の持つ権限と責任を念頭に、拒否権の持つ性質を考えてもらい、各国大使を務める高校生は発言する際、主張と根拠をしっかり述べたうえで議論をすることができました。
・交渉(*決議締切は13:40)
グルーピングでの動きを行い、満遍なく交渉を行うことができていました。「決議を出す」という目標の下、各国大使交渉を行い、合意可能領域を探り最終的にAU主導の決議が採択されることとなりました。
講評、質疑応答(13:40-14:00)
【講師からのコメント】
今回の派遣事業では、参加者の皆様が模擬国連を中学校から経験したことがあるとのことで、模擬国連とは何かといった部分よりも、会議の方に重点を置いて今回の派遣事業を行いました。模擬国連が一年ぶりで不安と口々に述べていた生徒の皆さんでしたが、上述で述べた通り各生徒さん必ず一回は議論の中で主張とその理由をしっかりと述べ、大使としての議論ができていたことに講師一同感銘を受けました。模擬国連活動のメインである、「それぞれの立場から議題を思考し、多角的な視野をもって交渉を行う」という部分を体験することができたのではないかと思います。
模擬国連の活動に経験があるということで、今回は今までとは異なる議題「安保理改革」の方を体験してもらいました。現状の国連の抱える問題点や、なぜこのような改革をするに至ったかなど、そもそもの議題理解の点で難しい点があるということを我々講師陣一同想定しておりました。しかし、その中でもリサーチ時間の段階で自分たちで調べ、分からないことは行使にすぐ聞くなどの対応をしてくれたことで、我々講師陣の想定する画期的な発想や、柔軟な交渉方法など今回の議論を通じて成果文書を作るための合意可能領域を見いだそうとする参加者の皆さんを目にすることができたという点が非常に良かったと思います。
安保理改革は、各国の利益が異なることもあり、なかなか議論がまとまらない議題の一つですが、どこまで譲歩するか、どこまでを譲れない点とするかなど交渉の難しさを模擬国連を通じて皆さん学べたのではないかと思います。今回のこの講師派遣事業で自国の歴史を踏まえた交渉の難しさや合意をとることの難しさを伝えることができたのなら幸いです。
横浜翠陵高校の参加生徒の皆さん、ご協力いただいた教職員の皆様、ありがとうございました。
事業担当 石毛菜々美
【参加者からのコメント】
- 口論や討論というような、人と話すことが大好きだったのでとても楽しかったです。美容師になるという夢は小学 2年生から変わっていなかったのに、来ていただいた講師さん達のような模擬国連のサークルに入るのもありだなと初めて心が揺らぎました。それくらい自分にとっては大きいものでした。でもやっぱり美容師になりたいという結論に至りましたがほんとにほんとに楽しかったです!(南アフリカ担当、高校1年生)
- 討論は難しかったですが、楽しかったです。学校でやる模擬国連で今回学んだ事を活かしたいと思います。(フランス担当、高校1年生)
- 元々学校の中でも模擬国連はやったことがありましたが、毎回同じ題材でした。今回は全く違う題材でそれを2時間で考えなくてはならないと言われかなり難しかったですが、その分かなり楽しめました。(ナイジェリア担当、高校1年生)
講師派遣事業に関するお問い合わせ・ご相談→日本模擬国連 事業担当:project.jmun@gmail.com