場所:横浜共立学園中学校・高等学校
日程:2023年3月16日(木)10:00-12:00
議題:第4回国連環境総会「使い捨てプラスチックの規制について」
講師:六代深尋、石毛菜々美、出口啓貴
参加者: 8名・中学3年生(グローバル研究会)
【概要】
●講義
・模擬国連とは何か、議論進行の解説(10:00-10:25)
・議題概要、論点解説(10:25-10:35)
●体験プログラム
国別準備時間(10:35-10:45)
8か国(インド、中国、日本、マレーシア、モルディブ、サウジアラビア、英国、米国)に割り振りました。講師が用意したスタンスペーパーを精読し、担当国の国益と戦略についての理解を深めることができました。
議論(10:45-11:45)
割り振った8か国に分かれ、実際に会議を行いました。
- スピーチ:全ての国が使い捨てプラスチック問題に関する自国の意見を簡潔に述べました。
- 着席討議:決議草案に変更したい部分がある国が主張し、それに対する懸念と反論の応酬が行われました。具体的には、最終目標を「廃絶」にするか「削減」にするかという点や、2025年までという目標期限を設定するか否か、対象国を制限するべきか否かという点で、主にEU・島嶼国とアジア諸国・米国の対立構造に分かれ、議論が行われました。
- 非着席討議:着席討議で浮かび上がった対立構造を踏まえ、全参加国によるコンセンサス投票を目指した決議案交渉が行われました。最終的には、「全ての国が2035年までに半減、2050年までに廃絶を目指す」という旨の決議が完成しました。
- 投票:コンセンサスにより無事に採択することができました。
講評、質疑応答(11:45-12:00)
【講師からのコメント】
今回の派遣事業では、参加された方のほとんどが模擬国連初体験とのことでしたので、国益や戦略といった模擬国連特有の概念の理解に少々時間を要するであろうと我々講師陣は想定していました。しかし、参加者の全員が非常に速く模擬国連の枠組み全体を理解し、主体的に議論や交渉をする姿勢を見せていました。模擬国連の主旨である「各国の立場を理解し、多角的に国際問題を見つめる」とはどういうことか、参加者の皆さんに伝わったかと思います。
特に印象に残った点は、最後の決議案交渉の際に、参加者の皆さんが様々なアイデアを出していたことです。参加者に配布した講師作成のスタンスペーパーの情報のみを踏まえると、導き出される結論の幅はあまり広くなかったことと思います。しかし、生徒たち自身で話し合い、目標の期限を2種類設けることで、全ての国にとってより良い目標を策定することができました。これは、講師陣の予想をはるかに上回るものであったばかりか、講師自身も新たな可能性を見出すことができ、非常に有意義な時間となりました。
初めて模擬国連という活動に取り組み、「自分の意見」ではなく「自国の意見」を考えるとはどのようなことか学ぶことができたのではないかと思います。今回の派遣事業を通じて、模擬国連により一層興味を持ち、今後の研究会活動に活かして頂ければ幸いです。
横浜共立学園中学校の参加生徒の皆さん、ご協力いただいた教職員の皆さん、誠にありがとうございました。
事業担当 六代深尋
【参加者からのコメント】
- 模擬国連について初めて詳しく知り、実際に国際的な問題を話し合ってみて、とても面白かったです。国際問題について個人の立場ではなく、国からの立場で話すのは難しいと思いました。(Aさん(匿名)、中学3年生)
- 最初は難しそうだと思っていたけれど、スタンスペーパーやマニュアルのおかげでわかりやすく理解しながらスムーズに進めることができました。アメリカとは意見がほとんど反対でしたが、お互いに協力して決議を出すことができました。とても興味深かったです。(Bさん(匿名)、中学3年生)
- 意見の違う人と交渉しながら妥協点を探すというのが他にはない経験でとても楽しかったです!日常生活でも友達と関わるときに、役に立ちそうだと思いました。(Cさん(匿名)、中学3年生)
講師派遣事業に関するお問い合わせ・ご相談→日本模擬国連 事業担当:project.jmun@gmail.com