【会議設定】
会議監督(名前/大学/学年/研究会) | 矢倉康平/東京大学/4年/駒場研究会 |
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議題(日本語/英語) | 非承認国家/Unrecognized States |
議場(日本語/英語)、設定年 | 非承認国家に関する政府間パネル/Intergovernmental Panel on Unrecognized States、2016年 |
【会議監督挨拶】
皆さまこんにちは!会議監督を務める矢倉康平です。 さて、今回扱う非承認国家問題は、今まで私が直面してきた中で一番難しい国際問題だと思っています。その証拠に、国際会議の場で一度も話し合われたことはないし、そもそも国際秩序の外にある非承認国家の存在を正面から扱うことに難しさがあります。ではなぜこのような議題を選んだのか。それは、参加者に本気で問題に向き合い、徹底して自立的な思考をしてほしいという思いがあるからです。この会議では予定調和というものはなく、参照すべき過去の議事録や明確なスタンス、解決策を明示した資料、分かりやすいグルーピングといったものは存在しません。この会議では、「あなた」ならどう考えるか、「あなたの国」はどうしたいか、をひたすら問い続けますし、そこに答えは存在しないばかりか問いも自分で立てなくてはならないでしょう。このように参加者が甘えてしまいがちな要素をできるだけ排除することによって、本気で思考できる最高の環境を整えている、そういった設計となっています。 ここまで聞くとハードルがやや高く聞こえてしまうかもしれませんが、一番必要なのは知識でも経験でもなく、国際問題と向き合う熱意です。私が自信を持っているフロントメンバーがみなさんのチャレンジを最大限サポートします。国際問題に向き合い、考え続けるという模擬国連の醍醐味を、ぜひ新しい形で味わってみませんか。 |
【会議テーマ】
会議テーマは”Find yourself a new frontier”です。 私たちフロントは参加者に、より一歩進んだ自立的な思考を持って国際問題に向き合ってもらいたいと考えています。ネットで見つけた実際の大使の会議行動や発言の模倣、それに似た国との漠然としたグルーピングと追随などといった「型にはまった」会議行動から、さらに自立的思考を持って国際問題にコミットすることが国連会議を模擬する中での次の段階だと考えています。フロントメンバーは、こうした参加者と模擬国連に対する思いを基に、今回の会議テーマを設定しました。 会議テーマ”Find yourself a new frontier”は、「自分自身に新たな挑戦を課す」という意味になります。自分が向き合ってこなかったことに対して、自分自身の身をもって挑戦してほしいというフロントの思いを表現するために、この会議テーマは生まれました。会議では、「非承認国家」という公式に議論されたことのない、過去の決議や議事録がない議題、すなわちゼロベースで自分の考えを構築させることができる議題を扱い、神メン4人によるサポートを備えることで、”Find yourself a new frontier”のための最高の環境を整えています。 大会テーマにも共通する部分がありますが、現実で確かに起きている国際問題と真正面から向き合い、自立した本気の思考を通して、自分の身から遠い出来事のように思われがちな国際問題や国際秩序への新たな見方と姿勢を手にし、そして参加者の皆様の模擬国連観を再構築してほしいと考えています。 |
【本会議を通じた参加者への「問い」】
「国際秩序の現状および展望をどのようにとらえるか、そのうえで国際秩序は今後どうあるべきか?」 この会議を機会に、「非承認国家」という、主権国家が中心と捉えられてきた国際秩序にとってイレギュラーであり、私たちにとって想像にも及ばない存在を扱うことで、国家や国際秩序の在り方を考えてほしいと思います。国際秩序の現実をとらえ、それと向き合い、そのうえで国際秩序の理想の在り方について、自分の考えをもって答えを出してください。 |
【求める参加者】
国際問題に一途に向き合う熱意をもち、公式に議論されたことのない「非承認国家」についての情報収集、問題設定、対応など、会議本番及び準備段階でも、本気で思考し続けることに挑戦したい人を求めています。 参加を希望される方へ 「会議テーマ"Find yourself a new frontier"の文脈において、あなたが今会議で成し遂げたい目標は何ですか?」 この問いへの答えを含めて、応募フォームの会議の志望理由を記述してください。 |
【議題解説】
国家として独立の意思を有していながら対外的な承認が得られていない国家、いわゆる非承認国家はその火種を合わせて世界中に存在しています。しかし、非承認国家について、現状では国際社会の公の場で話されたことはありません。なぜなら、多くの場合が主権国家体制にとっては不都合な存在であり、さらに暗黙の了解や政治的な力によってのみ事態が動いてきたからです。また、非承認国家の存在自体、そもそも長く続く状態として続くことが想定されていませんでした。 しかし、コソヴォや東ウクライナなど、世界各地の「非承認国家」とされうる地域の独立運動や紛争の事例からわかるように、非承認国家の問題は顕在化し、さらには国際秩序に対して影響力を及ぼしつつあります。また、当該地域で生活する住民も非承認であること特有の被害を受けており、国際社会にとって静観あるいは無視できない存在となっています。 非承認国家という、主権国家から成る国際秩序が想定していなかった存在をどのように秩序の中に位置づけるか、非承認というステータスゆえに起こる様々な問題に対してどのように対処するか、法的・政治的・経済的観点から幅広く議論してもらいます。 |
【論点解説】
「非承認国家」という議題、国際問題を議論する際、その幅は広く、論点はかなり多くなります。なぜなら、これまで議論されたことがないゆえに、問題そのものの把握、分析、課題や目標の設定など、非承認国家の議論に必要な事項を明確化させてから話し合う必要があるからです。 そこで、フロントは論点を以下のように設定しております。 ①非承認国家そのものの在り方 「非承認国家」の概念をどのように規定するか、またそれを秩序にどのように組み込むのか、非承認国家の存在を国家や国際秩序の本質と絡ませて考えます。具体的には国家承認の基準、民族自決や領土保全などの国際原則や非承認国家を組み込んだ国際秩序の在り方などが挙げられます。 ②非承認国家の存在による具体的問題 非承認国家が原因で起こっている問題への対処について考えます。その際、具体的ケースごとではなく、「非承認」という独自の条件に対し、どのような普遍的対処が考えられるかを念頭に置きながら、諸問題への対応策を考えます。例として、安全保障や人道問題が挙げられます。 |
【フロント紹介】
会議監督/矢倉康平/東京大学/4年/駒場研究会 副会議監督兼議長/川島瑛里子/早稲田大学/4年/早稲田研究会 秘書官/龍村真由子/同志社大学/4年/京都研究会 報道官/東條慎之佑/同志社大学/4年/京都研究会 |
【国割】
Algeria | Armenia | Azerbaijan |
Canada | China(People's Republic of) | Cyprus |
Democratic Republic of Congo | Ethiopia | France |
Georgia | India | Indonesia |
Iraq | Israel | Moldova |
Morocco | Nicaragua | Nigeria |
Russian Federation | Serbia | Somalia |
Spain | South Sudan | Turkey |
Ukraine | United Kingdom | United States |
【国選びのポイント】
今までの説明からわかるように、参加者には自立した本気の思考をもって会議に臨んでほしいため、グルーピングや国の傾向に基づいて国を選ぶことはこの会議の意図することではありません。国選びについては後述しますが、グルーピングや国の傾向は自分自身の手で作り出すべきものとしています。ここでは国選びのポイントというより、この会議における国選びについての方針を述べたいと思います。 この会議では担当国の志望理由の段階から、会議テーマに則り、可能な限り自分で調べて、なぜその国を志望するのかをしっかり考え、説明していただきます。さらに、【求める参加者】にて記載されている問いの答えも、国割りを決める際に大いに参考にします。また、参加者が自立した思考のできる環境を保持するため、フロントから情報提供は行いません。 この段階で深く詳細なリサーチは求めておりませんが、何度も述べているように、「非承認国家」は国際社会の場で議論されたことがないので情報収集は困難かと思います。しかし、それゆえに正解はないので、気圧されることなく自信をもって考え続け、その思考の結果をしっかりとフロントに伝えてください。ゼロベースで考えを構築することに魅力を感じていただき、果敢に挑戦してほしいと思います。 |