第8弾 国連広報センター(UNIC) 妹尾靖子所長代行インタビュー
目次
●国連ウィークは今年初めて開催された取組ですが、この企画にいたった経緯を教えてください。
これはもともと今年から始まった「いっしょに国連」というキャンペーンの中で、国連のことを具体的にフィーチャーしたイベントを組んでいきましょうということで企画されました。国連の創設日(10月24日)に合わせた一週間に開催されました。若い人がもっと参加して欲しい、もっと国連のことを知ってほしいという趣旨で始まったものです。
●大盛況だったようですが、感触はいかがですか。
私達が知る限り、つまり国連広報センター(以下、UNIC)が主催したイベントでは、とても感触が良かったと思います。一回目で試行錯誤したのですが、10月16日のキックオフイベントの実施から自分達が考えていた以上に、こういうイベントを組めば人がきてくれるんだという自信が生まれてきました。
UNICが単独で実施したというのではなく、模擬国連委員会や、スタンド・アップ・テイク・アクションに関わる市民社会団体など若い方と共催できたのはとてもよいことでした。実際UNICが主に行ったイベントも、インターンの方が中心的に進めていってくれました。
例えばこういうイベントをやるならショートビデオをつくってYoutubeで宣伝しましょうとか、facebookというのがありますよとか、若い方々はそういった新しいものをどんどん使っていきますから、職員として非常に勉強になります。
よくあることですが、UNICが今まで運営してきたイベントには、同じような人達が関心を示して来るわけです。ですから、そこの線を超えて新しい人達にアウトリーチするということはとても意味があることだと思います。インターンの人達の積極的な参加は、新しい人達にアプローチできる可能性を広げてくれるものでした。
●今後はどのように発展させていきたいとお考えですか。
来年も今回の反省点を生かし、国連ウィークを開催する予定です。今年の反省点は準備期間が短いという点でした。野心的なことをいえば、もっともっと全国的に進めたい、地方にももっと浸透させたいです。
国連ウィークに参加するためには大規模なものを企画しなきゃいけないんじゃないかというご心配があるかもしれませんが、その心配は必要ありません。大学のゼミなどの小さい規模のものでも歓迎です。また、UNウィークのイベントに参加されて、地域に持ち帰って何かを始められるということもとても期待しています。
このメールマガジンに登録されている方には若い方が多いと思いますので、日ごろ国連に疑問に思っていることなども私達にいただければとても参考になりますし、今後の企画にも活用していきたいと思います。
●UNICは「広報」という言葉からうけるイメージによらず、このようなイベントの企画などにも多く携わっていらっしゃるのですか。
日本におけるUNICの役割は、まず国連事務総長・事務局の出先機関というものがあります。一番忙しくなるのは事務総長が来日したときです。国連にとって対日本外交の最も大事なイベントとなるわけです。また、日本に事務所を構えていない国連機関もたくさんあるので、その機関のトップの方が日本を訪れたときの記者会見のアレンジや、その機関の報告書の発表もお手伝いします。
例えば、今年は特にUNFCCC(気候変動枠組み条約)のトップが訪日しましたが、私達も記者会見などのアレンジをさせていただきました。日本でも気候変動は関心の高い問題ですから、日本の報道関係の方がとても興味を持ってくださいます。
広報という点では、UNICは各国でコミュニケーションズ・グループという、各機関の広報部を集めて広報戦略をリードするという役割をもっています。また、実際メディアのモニタリングも行っています。新聞などの論説、社説などで、例えば事務総長の政策が非難されている場合には、本部に報告をします。
若い学生さん向けの活動もしています。イベント、セミナー、またキャリアガイダンス等を行うことがありますし、地方へ出かけて国連について何かお話下さい、という依頼に応じた講演も行います。ちなみに、一般の方からのあらゆる質問も受けますよ。電話でご質問やご意見を頂戴することもあります。もちろん、学者の方や、議員の方からの資料のご請求などもあります。
●妹尾様のご経歴の中のパレスチナ、UNODC、モザンビークなどでのお仕事と比較して、UNICのお仕事の面白みはどこにありますか。
私はUNRWAというパレスチナ難民を扱う機関にJPOで入りました。そこで2年働き、そのあとガザに病院を建設するという仕事があり、そこで勤務しました。そして、UNODC(国連薬物犯罪事務所)に移りました。当時はUNDCPという名前だったのですが、国連のシステムの中にある薬物関係の部署が統合された組織です。そこでも広報・渉外をやっておりましたが、扱うものは全く違いました。パレスチナ難民というのは非常に政治的な問題で、国連の中でかなり重要事項になっています。また、薬物は先進国にとっても不正薬物が自国に流れてきていることから非常に関心が高く、一般の開発問題とは区別されている印象をうけました。
●これまでは現場の当事者の方々とのお仕事が長いように感じます。それに比べて先進国・日本の東京にあるオフィスではどのような方とお仕事をされていますか。
これまでは当事者相手で、今は一般の方に対する広報ということでギャップは感じますけれども、私達の潜在的パートナーになり得る方は多いのです。その人達を探しだして―そしてお金をかけずに―国連の活動について知ってもらえたらと願っています。国連ウィークはそういった試みのひとつです。皆さんもぜひご参加下さい。(了)
GMUN日本代表派遣プログラムは、外務省「いっしょに国連キャンペーン」の協力団体として、メールマガジンのインタビュー作成を担当しています。メールマガジンのバックナンバーはこちらからご覧頂けます。
最終更新:2010年4月8日
