大量難民流出状況における負担および責任の分担と国際協力 (UNHCR)

 大量難民発生下においては、第一次庇護国は経済的、社会的問題や教育、健康分野に関する問題といった様々な困難に直面することになる。それは、大量難民が発生した状況にあっても、第一次庇護国には難民条約を遵守しなければならないという責任が課されるためである。しかし、難民を保護する責任は、第一次庇護国のみに課されるものではなく、第一次庇護国が背負う責任や負担は国際社会全体で分担しなければならない。

 デンマークは長年人道支援分野で多大な貢献をしてきた国の一つであり、難民の保護と支援を行う機関であるUNHCRに対する拠出額も何年にも亘って上位を占め続けている。また、デンマークは小国ではあるが、国際人権法や国際人道法の遵守のためにも、今後とも積極的に難民支援を行っていく所存であり、大量難民発生下における国際協力の重要性も認識している。しかし、現在そのような協力体制は脆弱であると感じており、積極的に難民支援を行っているデンマークとしては、他国のより一層の協力が必要であると確信している。そこで、デンマークが難民支援の中で恒久的解決策の模索を優先付けている国として、さらには、伝統的な第三国定住先であることを踏まえ、今議題においてデンマークは第三国定住の促進を提唱していく。第三国定住の普及のために、デンマークは以下に述べる3点の政策を立案した。

 一点目は、様々な関係機関間の調整と協力関係を促進していくことである。現在NGOを始めとして様々な機関が第三国定住に取り組んでいる。しかし、問題点としてそれらの機関間で仕事内容が重複していることが挙げられる。よって、機関間の調整や協力は重複内容を防ぐことができ、より多くの第三国定住を可能にすることができるはずである。また近年、第三国定住の知識や経験が豊富なNGOも多く存在することから、それらのNGOと協力することで作業の非効率化を防ぐこともできる。さらに、第三国定住を既に行っている国が第三国定住を行っていない国と協力することで、ノウハウを伝授することができ、第三国定住を始める契機になるとデンマークは考えた。なぜならば、デンマークはスロベニアと協定を結び、スロベニアが第三国定住を取り入れるための手助けをしているからである。そして、第一次庇護国の中には難民受け渡しに難色を示す国もあるため、デンマークは第一次庇護国と第三国定住先の調整や協力体制も第三国定住を促進するためには不可欠であると感じている。

 二点目は、経験豊富なNGOをより第三国定住のプロセスに含めることである。近年、第三国定住の経験や知識が豊富なNGOが増加していることは既に述べた通りであるが、それらNGOが第三国定住を行う際に関わっているプロセスは限られている。というのも、ほとんどのNGOが出発前と統合のプロセスに従事しているのに対し、難民の選考、決定プロセスに関わっているNGOの数は少ないのである。しかし、選考のプロセスからNGOが加わっていくことで、より一貫性のある定住支援が可能になるとデンマークは考えた。例を挙げるとすれば、デンマークで一番大きい難民支援NGOであるとされる、Danish Refugee Councilは難民の選考プロセスから加わっているため、第三国定住の対象となる難民に関する情報の享受も円滑にできており、一貫した定住支援ができている。また、近年NGOに対する注目も高まっていることから、デンマークは積極的にNGOの難民支援に対する貢献を応援する次第である。

 最後に、デンマークは第三国定住に関するデータベースの構築を挙げた。このデータベースは第三国定住を行っている国やNGO、第三国定住に興味のある国などあらゆる機関や人々に第三国定住にまつわる情報を伝授するためのものである。現在第三国定住に関する一つの定まったデータベースがないことから情報の錯綜が懸念されるが、このようなデータベースを構築することにより、円滑な情報共有が可能になるはずである。また、第三国定住を始めていない国にとっては、ノウハウを仕入れることで第三国定住を始める契機とすることもできる。さらに、第三国定住の成功例や有益な方法等を共有することにより、従来のプロセスにかかっていた時間の短縮にもつながると考えた。これに関しては、デンマークのような長年第三国定住に関わってきた国が大きく貢献できると感じているし、Danish Refugee Councilも第三国定住に関する知識を有しているため、多大な貢献ができるだろう。そして、このデータベースによって様々な機関や人々が行っていることが把握できるようになるため、仕事内容の重複も避けることができるのではとデンマークは感じている。

 以上の政策を持って、UNHCRとの第三国定住プログラムの下長年難民を受け入れてきたデンマークとして、大量難民発生下における第一次庇護国の負担を軽減すべく、第三国定住の有用性を唱え、より一層の第三国定住を実現していくとともに、未だ第三国定住を始めていない国に対しては、第三国定住を始めるように促していく所存である。

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