2010年NPT再検討会議 (IAEA)



2010年NPT再検討会議は今年の5月にニューヨークの国連総会で行われる。NPTに関しては、基本的に「核軍縮」「核の平和利用」及び「核不拡散」、いわゆる「NPTの三本柱」から構成されている。しかし、このアジェンダは国連総会ではなく、国際原子力機関(IAEA)によってあげられている。IAEAの性質によって、軍縮に関する議論を詳しく進めるのはふさわしくなく、一番優先論点でもないと予想する。また、核の平和利用について、デンマークは核パワーが持続可能なエネルギーフォームではないと主張し、核技術の促進におけるこの機関の役割を支持していない。さらにデンマーク国内に一切の核に関する活動がおこなわれていない。一方、デンマークは自国で核の技術を一切使用しないにもかかわらず、他国の核に対する選択と意見を尊敬するというよう立場をとっているので、強く反対するわけではないが、基本的に核の平和利用に関する論議を避けたい。従って、デンマークとしてこのアジェンダに一番関心を持っているのは核不拡散である。


しかし核不拡散に絞られるわけでもない。なぜなら、2007年から2009年にかけて行われた2010年NPT再検討会議準備会議の結論の一つとして、運輸における核材料の保護の強化及びテロリズムの阻止、特にIAEAの活動を通してのテロリズムの阻止の強化が挙げられた。さらに、デンマークが核諸問題において、一番関心を持っているのは核セキュリティであって、特に反核テロリズムに力を注ぐべきであると考える。以上の問題の核心はすべて核不拡散にかかわるので、ここで特にデンマークの核不拡散政策について説明したいと思う。


デンマークは欧州連合(EU)の一員として、完全にEUの核不拡散政策に従っている。基本的にIAEAの安全保障の重要性を確認し、その不完全性において追加議定書の重要性を強調する。また、核セキュリティを確保するため、輸出規制を強化しつつ、第三世界の国々へも援助する。従って、ここでこの二方面からみて、デンマークとして「ニッチ」な政策及び貢献について話したい。


まず、IAEAの安全保障制度の強化について、デンマークそしてEUはNPTを核不拡散体制の土台とみなし、IAEAの安全保障は基本的な道具だと認識している。しかし、現在の安全保障体制は事前に布告されていない核活動に検査権力が与えられていない。その改善策として追加議定書(AP)の役割を強調し、すべての条約国にAPの批准、発効を呼びかけ、その同時に核セキュリティ基金(Nuclear Security Fund; NSF)に自発的に経済的に支援を続ける。なぜなら、デンマーク国内に一切に核施設はないので、核セキュリティを専門とする人材・施設もない。しかし、デンマークは核セキュリティに貢献できないわけではない。ここでデンマークとして「ニッチ」な支援が挙げられ、世界各国で核セキュリティ活動を支援するNSFに経済的な支援を続けることは核セキュリティを強める一方で、デンマークの国際地位も上昇すると予想する。


次に、輸出規制について、EUとして基本的に輸出規制における国際協力、特に多国間的での経験・情報の交換、関連する材料・設備・技術における輸出規制の実施が必要であり、 関連する立法、関税及びボーダーコントロール機能が望ましい。さらに可能な制裁も大事である。ここでやはり申し上げたいのはデンマークの「ニッチ」な輸出に関する政策である。この政策は「放射性資源のデーターベース」と「輸出管理システム」からなる。デンマーク国内にDNIRPという研究所があって、この研究所によって1万種類以上の放射源を追跡・監視するデーターベースが作られている。このデーターベースはただデンマーク国内ではなく、デンマークと同じ立場の核のないもしくは少量の核しか持っていない途上国・小国にも貢献できる。そのデーターベースは他国に放射に関する法律の起草・履行を支援し、輸出規制を強化できる。さらにデンマークの輸出規制システムは常に工業との対話を重視し、一方的に規制を厳しくすることではなく、それと同時に多国への援助をも大事にしている。従って、ただデンマークではなく、ほかの国、特に途上国へも利益になると思う。


以上はデンマークの「ニッチ」な核不拡散政策であり、この以外にもデンマークとして不拡散教育、NPTと相補的にCTBT,FMCTの発効など、ほかの国と協力できる分野もある。核不拡散に関する政策の実現を目指し、実りのあるようなNPT再検討会議(IAEA)へデンマークの力を貢献したい。