安全保障理事会

概要 会議テーマ 議題・論点説明 フロント紹介 大会企画 国選びのポイント

概要

議題(英語) The situation in Iraq
―Response to Islamic State in Iraq and the Levant―
議題(日本語) イラク情勢―イラク・レバントのイスラム国(ISIL)への対応―
議場 国際連合安全保障理事会
扱う年代 2015年
設置国数(募集人数) 15ヶ国(ペアデリ)+3ヶ国(オブザーバー、一部ペアデリ)+Iraqi Kurdistan(シングルデリ)+Secretary General(シングルデリ)=36人
使用言語 公式:日本語 / 非公式:日本語 / 成果文書:日本語
会議監督 長嶋大貴(早稲田大学政治経済学部 3年)
副会議監督 稲本大也(獨協大学法学部 3年)
議長 議長国として公募(2ヶ国4名)
秘書官 竹内信実(立命館大学文学部 3年)
小沢薫子(早稲田大学商学部 2年)
報道官 大川梨恵(明治学院大学国際学部 2年)
槍崎貴士(学習院大学法学部 4年)

国割

Azerbaijan
Brazil
China
Egypt
France
Japan
Jordan
Nigeria
Russian Federation
South Africa(1日目のみ議長国)
Sweden(2日目、3日目議長国)
Turkey
United Kingdom
United States of America
Venezuela
Iran(オブザーバー、シングルデリ)
Iraq(オブザーバー)
Syria(オブザーバー、シングルデリ)
Iraqi Kurdistan*(オブザーバー、シングルデリ)
Secretary General**(オブザーバー、シングルデリ)

※特に注記がないものはペアデリ。
※議長国が2ヶ国存在するのは、会議設定日が月をまたぐためである。(安保理では月番制で理事国が議長国を務める。)
*Iraqi Kurdistan:イラクのクルド人自治区政府。
**Secretary General:国連事務総長。

会議テーマ

国際情勢への理解・関心の醸成

皆さんは、自信を持って「議題とその背景にある国際情勢」を理解して会議に参加したと言える経験はどれくらいありますか? 議題に関する表面的な理解に留まり、背景となっている国際情勢や国際関係の理解が不足していた、などの経験は多くの方に1度は当てはまるのではないでしょうか。もしくはそういった知識の不足を戦略や会議行動で補おうとした経験がある方もいるでしょう。

上に挙げたような会議への参加の仕方は、「国際情勢の理解」という模擬国連の1つの魅力を台無しにしているのではないかと考えています。

そこで本会議は、参加者に議題やその背景となる国際情勢についてしっかり知ってもらい、今後も国際情勢に幅広く関心を持ち続けてもらえるように工夫しました。模擬国連の様々な要素の中でも「国際情勢への理解」という部分に重点を置き、様々な工夫を凝らしています。

例えば、架空の会議設定。本会議では架空の設定の下、会議を進めていきます。このような架空の設定がどうして起こりうるのかを考える際に、過去にあった似たような事例や国際政治の理論、国際法の枠組みなどをフル活用して自身で仮説を立てることで、国際情勢への理解の一助となるでしょう。

例えば、クライシス。本会議では、クライシス形式という、会議の進行に合わせて刻一刻と情勢が変化していくという特徴があります。その情勢の変化は参加者自身の発言や行動が反映されたものとなります。そうすることで、参加者は自身の発言や行動が国際社会に与える影響を感じることができ、国際情勢のリアルタイムでの動きを身をもって体感できるでしょう。

また、本会議ではフロントの位置付けを工夫しています。本会議ではフロントは全員が国連事務局員という設定で、場合によっては議論に参加することもあります。これも、会議中にフロントと参加者が議論をする機会を設け、参加者の会議を理解し、国際情勢への理解を深めてもらう一助となることを目的とした1つの工夫です。

他にも参加者に少しでも国際情勢への理解を深め、関心を持ってもらえるような工夫を数多く施しています。

求める参加者

本会議で求めている参加者は、議題はもちろんのこと、その背景となっている国際情勢について強い関心を持っている方です。すなわち、議題の理解にとどまらず、現代の複雑かつ難解な国際情勢や国際関係を理解したいという意欲のある方をお待ちしています。

参加者の皆さんには、国際政治と国際法、国連についてしっかり理解した上で会議に臨んでほしいと考えています。現時点での知識の度合いは関係ありません。もっと知りたい、理解したいという気持ちがある、知的好奇心旺盛な方には楽しめる会議になるかと思います。もちろん、そのような知識には自信があるという方の参加も大歓迎です。

また、リサーチや会議準備はいつも頑張っているけど、会議行動があまり得意ではないという方の参加も大歓迎です。本会議は実際の会議行動の得意不得意ではなく、議題と国際情勢の理解、すなわち会議準備をどれだけしっかりできたかが鍵になるため、そのような方はいつも以上に楽しめるかと思います。

逆に、これまで議題や国際情勢の理解がしっかりしていなかったと感じる方も、自身のスキルアップとして今会議に参加していただければと思います。

ただ、模擬国連では、戦略ゲーム的な面白さや会議行動を重視して参加する方も多いと思います。会議設計及び会議テーマ上、そのような要素を重視する方にとっては物足りない会議になるかと思います。また、そもそも議題や国際情勢にあまり興味を感じない方には満足していただけない可能性があるので、志望動機をじっくりと検討してからのお申し込みをおすすめします。

この会議で議題などの知識を獲得して会議で活躍したい方は勿論、決議作成やクライシスなど模擬国連の様々な要素が楽しめる会議となっているので、この大会をこれまでの集大成としたい方にも参加していただきたいです!会議テーマに共感していただけた方、興味を持っていただけた方の参加をフロント一同お待ちしています!

<以下に当てはまる方の参加をお待ちしています!>

・国際情勢に強い関心がある
・国連の本質について考えてみたい
・架空の設定で会議をやってみたい
・クライシス形式という、緊迫感のある状況で会議をしたい
・国際政治、国際法を専攻しているまたはこれから専攻したいと考えている
・いつも会議準備はしっかりやっているが、会議行動で失敗してしまう

議題・論点説明

議題説明

2014年6月、イラク北部の都市モスルをイスラム過激派組織が制圧しました。この組織がISIL(イラク・レバントのイスラム国、通称イスラム国)です。モスル制圧以降、ISILは徐々に支配範囲を広げていきます。さらに異教徒や反対派を虐殺する、欧米人のジャーナリストを人質にとり残忍な方法で殺害するなど、極めて非人道的な行為をも行ってきました。この動きに合わせて2014年8月からアメリカ主導で有志連合が結成され、ISILに対する空爆が行われています。しかし、空爆作戦にも関わらずISILは大きなダメージを受けることなく、イラク・シリアの広い範囲を支配下に置いていきました。

本会議では、このISILがイラクの首都バグダッドに侵攻したという設定で会議を行います。

今年5月、ISILはイラク西部の要衝ラマディを制圧しました。このラマディ制圧を契機に、ISILは民間機撃墜や欧米でのテロ未遂などの事件を起こしつつ、バグダッドに攻勢をかけていきます。その間、イラク政府軍・有志連合軍との攻防は続きますが戦況はISIL優勢で、ついにはバグダッド国際空港を制圧して拠点化するに至ったため、イラク政府は国連安全保障理事会緊急会合の開催を要請します。それと同時にアメリカ政府は有志連合の空爆作戦の失敗を認め、イラク政府と同様に安全保障理事会に会合の開催を要請します。

以上の設定の下、この安保理緊急会合を今回は模擬することになります。参加者の皆さんにはこのような緊迫した状況の中、国際社会の一員として、そして国際連合として、どのような対処をすべきなのかを話し合っていただきます。

論点説明

論点:国連は、ISILに対してどのような対処をとるべきか
本会議では、設定する論点は1つのみです。参加者の皆さんにはこのシンプルな論点に対する答えを導き出してほしいと考えています。

まずISILを脅威として認定するのかしないのか。するのであれば、どのような措置をとるのか。もし武力を伴う措置をとるのであれば、誰がどのような手段で行うのか。このような議論がなされるでしょう。

議場が安全保障理事会であるため、その決定には法的拘束力があるということに留意してほしいと思います。

また、本会議はクライシス形式と呼ばれ、会議の進行に合わせて刻一刻と情勢が変化していきます。そのため、会議中の皆さんの行動によって議論内容が変化する可能性があります。

フロント紹介

ディレク自己紹介

早稲田大学政治経済学部政治学科3年、早稲田研究会所属の長嶋大貴です。出身は福岡県福岡市です。大学では国際法・国際機構論のゼミに所属し、主に国連などの国際機構について国際法的な観点から勉強しています。趣味は海外旅行で、大学に入って8ヶ国旅行しました。ちなみに気に入った国はスウェーデンとノルウェーですね。物価は高いですが、街並みも自然もめちゃくちゃきれいでおすすめですよ!ちなみに現在、本大会の会場からわずか10分のところに住んでいます笑

ディレクにとっての模擬国連とは

模擬国連を始めたきっかけ
高校時代に受験の息抜きとして大学のサークルを調べていた時に発見し、面白そうと思ったのが最初のきっかけですね。その頃から国際関係には強い興味があり、よく国際ニュースをチェックしたりしていました。そして入学後に説明会や体験会議に参加し、雰囲気もよかったので入会を決め、模擬国連を始めることになりました。

印象に残っている会議
一番印象に残っている会議は、初めて会議監督を務めた1年次の強化会議です。ちなみに議題は「国際テロリズム廃絶措置」でした。とにかく会議準備などが大変でしたね。でも自分が作った会議で研究会の皆が議論しているのを見ると嬉しいものがありました。

悔しかったこと
これはいくつもあるのですが、その中でも一番悔しかったのは、五研新メン会議ですかね。初めての同期だけの会議ということもあり、リサーチやらいろいろ準備を頑張ったのですが、上手くいったのは事前交渉のみだったという結果に終わってしまいました。議場ではなかなか上手くいかず、非常に悔しかったのを覚えています。

その他模擬国連について語りたいこと
模擬国連には様々な要素があり、どこに魅力を感じるかは人それぞれだと思いますが、自分にとっては本会議でも重視している「国際情勢への理解が深まる」という部分に大きな魅力を感じています。もともと国際関係に興味があり、自分でニュースをチェックしたり調べたりしているのですが、会議に参加することで、その議題に関する理解がさらに深まります。そして、模擬国連では多種多様な議題を扱うため、様々な方面の知識が得られます。その点で模擬国連は大学の授業と同等もしくはそれ以上の価値があると感じています。

余談ですが、大学のゼミで学習する内容の半分以上は模擬国連の経験からすでに知っているものであったりするので、改めて「模擬国連って有用だな~」と感じています笑

フロントからひとこと

【副会議監督】稲本大也(獨協大学法学部 3年)
真剣になりながらも楽しむことを忘れずに、頑張ってください!みなさんの参加をお待ちしています!

【秘書官】竹内信実(立命館大学文学部 3年)
そうだ、全日本大会に行こう。

【秘書官】小沢薫子(早稲田大学商学部 2年)
この会議を通して模擬国連の面白さを感じてください!4日間一緒に頑張りましょう!

【報道官】大川梨恵(明治学院大学国際学部 2年)
楽しいフロントと楽しい会議を!

【報道官】槍崎貴士(学習院大学法学部 4年)
この会議を通して国際情勢への理解を深めるきっかけになればと思います!頑張りましょう!

ディレクから参加者へのメッセージ

最近メディアを賑わせているISIL(イスラム国)ですが、これまで国連として実効的な措置を講じる議論はなされていません。だからこそ、模擬国連として議論する面白さがあると思います。そしてこの会議の特徴として、「刻一刻と変化する緊迫した情勢への対応」という部分があります。クライシス形式という会議は、普段の研究会ではあまりないのではないでしょうか。

本会議に参加するにあたっては国際政治や国際法、国連システムについてしっかり知識を身につけ、理解した上で参加してほしいと考えています。国際問題に関する知識や理解に自信があるという方は大歓迎です。また、そういった知識や理解に自信がない人には少々タフになるかもしれませんが、体系的な知識、そして深い理解を獲得するよい機会になると思いますよ!

意欲ある皆さんの参加を楽しみにしています!

大会企画

概要

この会議の大会企画は大会4日目午前に行われます。会議テーマである「国際情勢への理解・関心の醸成」の達成のために、会議を振り返って充実したレビューを行いながら、よりこの議題や国際問題への関心を高めていきます。

そのためこの会議の大会企画では、各大使の行動よりも、むしろ会議で採択された決議の分析、会議結果を受けた今後の予想、議題に関する大使の立場を離れた個人の意見の深化など、議題に関する見識や意見を深めることに焦点を当てていきます。現実でも、今まさに事態が変化し続けていることを踏まえながら、もう一度この問題に向き合います。

狙い

レビューと言われたとき、ただ大使としての会議中の行動を振り返り、その良し悪しを反省するだけですませてしまう人も多いでしょう。しかしそれでは、模擬国連のゲーム性を楽しんだり国益のための優れた大使行動ができるようになったりはしますが、会議を通じたさらなる国際情勢の理解には繋がりません。この企画では、大使という固定された立場にとらわれて会議で外交的に勝利するための力を付けることだけを目指すのではなく、模擬国連の魅力の1つである「国際情勢の理解」を目指していきましょう。

国選びのポイント

議長国として議場をまとめたい South Africa
Sweden
大国として議論を引っ張っていきたい France
United Kingdom
United States of America
国内事情を抱える大国として難しい立場で議論に参加したい China
Russian Federation
当事国として議論に参加したい Jordan
Turkey
Iran(オブザーバー、シングルデリ)
Iraq(オブザーバー)
Syria(オブザーバー、シングルデリ)
Iraqi Kurdistan(オブザーバー、シングルデリ)
比較的中立な立場で議論に参加したい Brazil
South Africa
Sweden
国内事情を鑑みて慎重に議論に参加したい Azerbaijan
Egypt
Nigeria
自国の国際関係を重視して議論に参加したい Japan
Venezuela
とにかく国際益を追求したい Secretary General(オブザーバー、シングルデリ)