ジュネーブⅢ

概要 会議テーマ 議題・論点説明 フロント紹介 大会企画 国選びのポイント

概要

議題(英語) The Meeting of Action Group on Syria(GenevaⅢ)
議題(日本語) シリアに関する行動グループ(ジュネーブ3)
議場 United Nations Office at Geneva
扱う年代 2015年
設置国数(募集人数) 15ヶ国(3人チーム)= 45人、非国家アクター含む
使用言語 公式:日本語 / 非公式:日本語 / 成果文書:日本語
会議監督 池田健介(立命館大学国際関係学部 4年)
副会議監督 杉田賢(一橋大学法学部 3年)
議長 多田知史(慶応義塾大学法学部 4年)
秘書官 山田真結香(立命館大学国際関係学部 3年)
岸本万里英(お茶の水女子大学文教育学部 3年)
報道官 杉田賢(一橋大学法学部 3年)

国割

China
Egypt
Government of Syria
Iran
Iraq
Lebanon
Russian Federation
Saudi Arabia
Turkey
United Kingdom
United States of America
European Union
League of Arab States
Syrian Opposition*
United Nations

*Syrian Opposition:反政府組織。

会議テーマ

Your Turn

この会議テーマは、今実際に起こっている国際問題を自分が解決する「番」ということを表しています。

これまでジュネーブⅠ、ジュネーブⅡと2度頓挫してきたシリアの和平会議(議題説明参照)を受けて、今度こそ和平を導くべく3度目の正直として、今回の会議に臨むことになります。妥協を許さず、シリアの和平に直結する解決の糸口を見つける必要があるでしょう。

当たり前ですが、これまで解決できなかったことからも分かるように、シリアの和平に向けては多くの障害があるということです。会議の論点(論点説明参照)になりうる、顕在化した問題やその問題を討議するうえでの外交課題など、利害関係が複雑に絡み合う中東地域の安全保障の議論は一筋縄では行きません。しかし今、その問題を解決するための最良のステージがこの議場でしょう。

難題であるものの、解決が急がれる議論を扱うこの会議には、もう一つの特徴があります。それは「チーム」で取り組めるということです。参加者の皆さんには、3人で1つのアクターを担うことで、その3人の集合知によって、この難題に取り掛かっていただきます。また、立場を同じくするチームメンバーとの国内調整において、外交上の建前を取っ払った本音の議論が出来ることもポイントです。

求める参加者

これまで参加した会議の最終結果が、本当に問題解決に資するのか納得がいかなかった人
和平交渉という会議の性質上、交渉成立や決裂など最終結果がはっきりと表れることが予想されます。最終結果が安易な妥協の産物に終わってしまい、本当に問題を解決しているのか疑問に思っていた人にも、満足していただける会議になっています。

政策を練りに練って、会議に参加したい人(裏を返せば、今までそういった経験をしてこなかった人)
チームによる国内調整の機会など、自国の政策についてより緻密に練ることができます。

先輩・後輩など一緒にチームを組んで参加したい人
なるべく多くの世代で構成されたチームでの、ご応募を期待しています。

議題・論点説明

議題説明

この会議ではシリアの和平交渉を行います。2011年の「アラブの春」以降、現政権とその打倒を目的とした反政権組織との対立が生じています。もともとは非軍事的な民主化運動でしたが、今では武器対武器による争いが繰り広げられています。また近年のイスラム国の台頭に伴い、2つの勢力の対立にイスラム国のテロ行為が加わり、状況は悪化の一途をたどっています。そういった現状を踏まえ、2012年から継続的に現政権と反政権組織の間で和平交渉とそれに向けた水面下での調整が行われています。

その和平交渉の中でも、国連が主導で開催しているのがシリアに関する行動グループ(ジュネーブ会議)です。過去2回開催され、ジュネーブⅠ・ジュネーブⅡと称されています。しかし、いずれの会議でもその対立を解消させることが出来ず難航しています。今回皆さんにはジュネーブⅢの議場に参加していただきます。ジュネーブⅢはまだ開催されていない会議であり、未来設定の会議になります(もしかすると大会当日までに、現実の世界でも開催されるかもしれません)。

これまでのジュネーブ会議には、当事者のほかに、アメリカ、ロシア、中国などの5大国や難民の受け入れや資金援助などを行う関係国も出席しており、国際関係のバランスを測りながら、解決までの糸口を探っています。今会議で皆さんが担当されるのも、このような主要なアクターに限定しています。

論点説明

まず今会議は「準備会合」と「本会合」の2つから構成されています。それぞれの会合ごとに想定される論点を記載します。

会議の進行によっては、以下の論点通りにならない可能性があることをご承知ください。

<準備会合での論点>
ジュネーブⅢ開催の要件
議論のための議論」です。本会合を開く際の論点や参加メンバーの選出等が議論されます。

<本会合での論点>
新政権までの移行政権
仮にこれまでの体制とは違う国家体制を築く場合、新しい国家体制までの移行期政権が必要となります。具体的には現政権と反政権組織のバランス、民意の反映のさせ方、意思決定機関について話されることが予想されます。

人権問題
難民や紛争地域での非人道的行為が確認されており、それらの解決を目的とした議論です。

国際社会の介入
和平交渉の行方によっては、国際社会の介入の必要性に話が及ぶ場合があります。

フロント紹介

ディレク自己紹介

立命館大学国際関係学部4年の池田健介です。大学でも中東地域を研究しています。一度は現地に行きたい反面、今は入れない国が多く残念です。中東という異質さに妙に惹かれ、これまで学んできましたが、奥が深く難しいです。参加者の皆様には、中東の面白さにも触れていただけると幸いです。また、趣味として「ドラマ鑑賞」が好きです。少し古いですが、「ひとつ屋根の下」というドラマに一時はまっていました。若かりし福山雅治や江口洋介がかっこいいです。ぜひ見てください、そして語りましょう!

ディレクにとっての模擬国連とは

模擬国連を始めたきっかけ
大学に入学して間もないころ、ひょんなことから体験会議に参加したら、「やめられない、とまらない」になりました。気づけば、4年生になっていたというこれまでの模擬国連生活でした。

印象に残っている会議
1年生の時に参加した関西大会です。当時から中東に興味があったので、パレスチナ情勢の会議に参加しましたが、圧倒的な先輩と優秀な同期を前に悔しさが残りました。その同期がこの大会の他会議のディレクなので、ご縁がありますね笑

悔しかったこと
あ、上の質問ですでに答えてしまいました笑。ただ会議のたびに、悔しさはいつもあります。毎回反省があるからこそ、「やめられない、とまらない」な模擬国連なのでしょう。

その他模擬国連について語りたいこと
私が運営の代表を務めた昨年の関西大会前日、大会初日を迎えるにあたって慌ただしい一日を送っていました。その日の深夜1時、事件は起きました。ないんです、トランクケースにも、ベッドの下にも、備品の詰まった段ボールの中にも。明朝5時に諭吉を犠牲に、タクシーで家まで大事な“彼”を取りに帰りました…
皆さんも、“スーツ”を忘れないようにしましょうね!

フロントからひとこと

【副会議監督・報道官】杉田賢(一橋大学法学部 3年)
国際問題の真の解決に向き合う4日間にしましょう!

【議長】多田知史(慶応義塾大学法学部 4年)
仲間と「ああでもない、こうでもない」と考え悩み、交渉の場で自分の準備したものを苦しみながらも全て出し尽くし、終わった後には結果の如何に関わらずなんとなく達成感がある。そんな「何かに本気で取り組み、考え抜く」経験は、一人の人間にとってかけがえのないものです。私たちはそんな経験ができる場所を用意して皆さんを待っています。ぜひご参加ください。

【秘書官】岸本万里英(お茶の水女子大学文教育学部 3年)
3人の「協同」作業を通して、あなたは何を手に入れますか? 他のチーム、チームメンバーに、そして自分自身に真摯に向き合う4日間を、共に過ごしましょう。皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!

【秘書官】山田真結香(立命館大学国際関係学部 3年)
全日本大会には一昨年初めて参加し、この度は幸運なことに秘書官を務める機会をいただきました。一昨年の会議は、これまで私が経験した会議の中で今でも印象に残っている会議なのですが、この会議も参加者の皆さんにとって充実した会議となるよう精一杯サポートさせていただきます!全国の皆さんとお会いできる日を心より楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします!

ディレクから参加者へのメッセージ

ゆっくりしたい年末に参加してもらうんです。皆さんの期待に応えられるような会議を準備しています。気の合う同期、ちょっと憧れている先輩、かわいくて仕方がない後輩、一緒に会議に参加したい人を、少し勇気を出して誘ってみてください。皆様にお会いできる日を楽しみにしています。

大会企画

概要

この会議の大会企画は大会1日目に行われ、会議に直接役立つスキルを提供するものです。論理的思考を実践したり、チームで取り組むということを実践したりするためのワークショップを会議開始前に開催します。ワークショップでは、問題を解決するための考え方や、この会議の特徴であるチームという形で物事に取り組む際のポイントなど、これまでの模擬国連会議では意識されにくかった点について実践し経験していきます。ワークショップのあとには再度チーム内で会議に向けて議論や調整をする時間を設け、ワークショップで得たスキルを活かしながら、政策を綿密に練って会議に臨みます。

狙い

これまで参加した会議の最終結果が本当に問題解決に資するのか納得がいかなかった人、政策を練りに練って会議に参加したい人、先輩・後輩など一緒にチームを組んで参加したい人、この会議にはこのような方が多く参加してくださることと思います。この企画は、そんな思いを抱いている人たちが、会議でより充実感を味わえるようにすることが狙いです。会議前の大会1日目前半を会議への準備の一環としてとらえ、会議でやるべきこと・やりたいことを再度チームで考え明確にしていきましょう。会議前にこの企画を行うことで、自分たちのチームや政策に自信をもって会議に臨むことができるでしょう。

国選びのポイント

〇当事国
・シリア政府(アサド政権)
ロシアやイランとの関係を親密にさせながら、アラブの春以降、反政府勢力と戦い続けています。しかし、イスラム国など反政府勢力が拡大し続けており、シリア内部への侵攻を許している場面も多くあります。また、この紛争後のシリアの安定をどう構築するかも悩みの種です。逆境に屈しない精神としたたかな外交力が求められます。

・反政府組織
アラブの春以降、反アサド組織は拡大してきましたが、複雑化しており決して一枚岩ではありません。反政府組織はイスラム国に代表されるような強硬派と外交や国際会議が主な活動場所である穏健派に大別できます。この会議では、穏健派の反政府組織集団の代表が選出されたと仮定して開催されます。イスラム国などの強硬派との関係も考えながら、未来のシリアをいかに作り出すかを考える必要があります。粘り強い交渉力と会議に旋風を巻き起こす力が求められるアクターでしょう。

〇5大国(アメリカ・イギリス・中国・ロシア)
長期化しているシリア問題に対し、どの国も不安を抱えています。特にアメリカ・ロシアは、実際社会でも会議開催前から他国と頻繁に意見を交わし、問題解決の糸口を探っています。設定した自国の権益を達成するために、綿密で洗練された政策を用意することが特に求められる国です。

〇中東地域の権威国(イラン・エジプト・サウジアラビア)
これらの国は、中東地域の安全保障を考えるうえで大きな役割を持つことが多い国です。それだけ中東地域での「力」があります。一方で、アラブの春以降、国内や近隣諸国で革命・政変が起き、情勢が流動的です。そういった複雑化した事情の中で、自国とシリア問題の関係性をきちんと整理して、会議に臨むことが求められます。

〇近隣諸国(イラク・トルコ・レバノン)
シリアの近隣諸国です。難民問題やテロリストの移動など、シリア問題が自国へ飛び火している国々です。特にイラクはイスラム国の活動地域であり、シリアとの連携も重要になってきます。また、トルコにも当てはまりますがクルド人問題も抱えており、一筋縄では解決できない問題が確認されています。この会議の結果の影響を強く受ける国あるだけに、自国の権益をいかに守れるかがポイントです。

〇地域機構(アラブ連盟・EU)
・アラブ連盟
アラブ地域の22か国が加盟する地域機構です。シリア問題についても資産凍結や合同軍の創立などの措置を執ることができるため、対応力が高いと言えます。シリアも加盟国の一つとなっていますが、現在は資格取り消し状態にあります。

・EU
EUもアラブ連盟と同様に、ジュネーブ会議開催のための外交交渉を続けています。また、人道支援や化学兵器使用に対する非難活動を続けています。

〇国連
この会議の開催アクターです。よって、「国連」のメンバー主導で会議が進行していきます。
デミストゥラ・シリア問題担当国連代表を中心に、一貫したシリア紛争解決への和平交渉活動を行ってきましたが、和平の成立に向けては難しい状況が続いています。9月現在、アラブ連盟やアメリカ、ロシアとの交渉を続け、ジュネーブ3開催の準備を続けていますが、具体的な開催日程を決めるには至っていません。非常にチャレンジングなアクターではありますが、その分のやりがいは大きいでしょう。
(※フロントと一部協働していただく場合がございます。)