参加者の声

昨年の全日本大会に参加された方々から、大会のご感想をいただいております。


 

模擬国連に携わる人にとって1年の最後の思い出になるのは、この全日本大会でしょう。とりわけ私は来年度に留学を控えていたため、大使として活動できる時間が限られているということもあり、大使としての集大成という思いで会議に臨みました。一昨年の大会 は、フロントのサポートのもと自分の満足のいく結果を残すことができました。そこで去年の大会では、フロントやペアに頼りすぎることなく、旧メンとして主体性を持って会議に挑むというレベルアップした目標を掲げていました。


参加した会議は生物多様性条約COP10で、アメリカ合衆国を担当致しました。この条約を批准していないのはアメリカとバチカン市国だけであり、そのためコンセンサス採択のみの議場で投票権を持たないオブザーバーという立ち位置、なおかつ条約の内容自体が自国にとって好ましくない、というかなり不利な状況でのスタートでした。国益も他の全ての国と真逆に設定せざるを得なく、どのようにして自国の意見を反映させるか、事前に考えつくしました。


今会議は2人で1か国を担当するペア制の会議でした。私のペアは、同じ研究会・大学の先輩だったのですが、大会前から何度も戦略を練ったり、リサーチをしたりと準備を重ねました。始まる前こそ、ペア制の会議の経験が少なくて不安でしたが、先輩から能力や技を学ぶことができ、ペア制会議の魅力を感じることができました。


 会議についてですが、予想通り先進国と途上国の溝が深く、議論が非常に紛糾しました。その中でも、先輩と作業分担を行って、自身の目標通り頼りすぎることなく 、そして戦略通り会議を動かすことができ、2大会連続でアワードを受賞できました。
会議を 通じ、今会議では「発信力」と「判断力」が得られたように思います。2年間全日本大会に出場して、全日本大会は会議の性質に関係なく、本気で打ち込める一方で達成感と満足感を味わえる最高の場所であると実感しました。ありがとうございました。

 

国立研究会所属 大野倖汰 東京外国語大学3年
参加会議:生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)ABS非公式協議グループ      
担当国:United States of America


 

全日本大会 では4日間の会議を通じて「1つの問題を深く真剣に考えぬく」という貴重な経験をさせて頂きました。そして、会議では真剣に議論しあえるかけがえのない仲間と出会えました。「考え抜くこと」「魅力的な人との出会い」、この2つこそが全日本大会が私にもたらしてくれたものでした。

 私は日本大使として「平和活動における国際機構及びその人員の違法行為」という議題の会議に参加しました。つまり、国連職員やPKO要員による性的搾取等の重大犯罪に対する処罰やその責任の所在について、日本の立場に立って議論しました。PKO活動に積極的に貢献し、その要員の評価も高い日本としては、加害国を厳しく取り締まるシステムを提案することで自国の国益を達成しようと会議準備に勤しみました。しかし、会議中に他の大使と交渉する中で、「加害国を厳しく取り締まることで他国の要員が減ったら日本の負担が増えるのでは?」「もし日本が加害国になってしまったら?」と自分の政策に自信がなくなり、私の政策に異を唱える大使が作った議場の流れに翻弄され、悔しい思いもしました。それでも、何が国連、そして自国の為になるのかを、迷い、悩み、考え抜いた経験は普段中々できないだけに非常に有意義でした。この会議は当初から難易度が高いと聞いていたため不安はありましたが、それでもハイレベルな参加者の中で切磋琢磨したいと決意し参加を決めてよかったと心から思います。

ある問題について納得のいくまで考えられたこと。そして、大会から半年以上経った今でも連絡を取り続け、今後もずっと繋がっていたいと思える大切な人達と出会えたこと。 何となく大学生活を過ごしているだけでは絶対に経験できないことでした。全日本大会はきっとあなたに何かをもたらしてくれます。それが何であるかは、ぜひご自身の目で確かめてください。

 

京都研究会所属 金信光恵 同志社大学2年
参加会議:平和活動における国際機構及びその人員の違法行為
担当国:Japan



私が今大会において担当したアラブ連盟は、地域協力機構として中東の国々をまとめる役割を担いました。しかし、中東諸国はそれぞれ多様な意見を持っており、ファシリテートの難しさを実感しました。また、議場を二分割するというルールのために共にアラブ連盟を担当していた仲間とは離れ、それぞれの議場で話し合いを進めていくことになりました。そのため他方の状況がよく把握できなかったため、情報共有や政策調整などに追われている内に会議は終わってしまいました。会議を終えて残ったのは、無力さでした。


しかし振り返ってみると、会議準備の段階で得られたものはたくさんありました。例えば、今会議のルールとして、1人が1ヶ国を担当するのではなく、3人1チームで一国を担当するというものがありました。そのルールのもと、チームとして効率的に動くために誰がどの役割をすべきなのかを自己分析・他己分析を通して考え、自分の得意とすることや、苦手なことを知ることが出来ました。チームの中での自分の役割を考えたことや、そのプロセスの中で感じた「自信のなさ」という新たな課題の発見をしたこと、また、その打開のための熟考 は、自分を理解し弱い部分を強化するよい経験になりました。


全日本大会での収穫は、会議だけではありませんでした。同じ議場に参加した人はもちろん、全日本大会内で出会えた様々な人達と今でも交流を重ねることができ、人脈の幅が大いに広がりました。今の環境に導いてくれた全日本大会での経験と出会いが、参加したうえでの私の一番の収穫だと感じています。


名古屋支部所属 柘植美結 南山大学3年
参加会議:シリアに関する行動グループ
担当国:League of Arab States